相続トラブルの8割は遺言書がなかった家庭で起きている

Five people arguing around a table covered with maps and papers

「うちは仲が良いから大丈夫」「財産もそれほど多くないから揉めないはず」――一宮市や愛知県北尾張エリアで遺言書・相続のご相談を承っている松浦正樹行政書士法務事務所では、こうした言葉をよくお聞きします。

しかし実務の現場では、仲の良かった家族が相続をきっかけに絶縁状態になるケースを、数え切れないほど見てきました。

そしてその多くに共通していること――それは、**「遺言書がなかった」**という事実です。

この記事では、「相続 トラブル 原因」「遺言書 なかった 相続」と検索してこのページにたどり着いたあなたに向けて、一宮市の行政書士が、相続トラブルの本当の原因具体的な対策をわかりやすく解説します。


1.相続トラブルは「お金持ちの家庭」だけの話ではない

「相続で揉めるのは、財産が多い家庭の話でしょう?」

そう思っていませんか?実はこれが、最も危険な思い込みのひとつです。

財産5,000万円以下の家庭で相続争いが多発している現実

最高裁判所の司法統計によると、遺産分割調停(家庭裁判所での相続の争い)のうち、遺産総額が1,000万円以下のケースが約3割、5,000万円以下を含めると全体の約75%以上を占めています。

つまり、ごく一般的な家庭の相続こそ、最もトラブルになりやすいのです。

なぜでしょうか。理由は明確です。

  • 財産が自宅不動産のみで、現金で分けられない
  • 預貯金だけの財産で、分け方が不公平になりやすい
  • 介護負担の不公平感が、相続で一気に感情的な対立へと発展する

財産の大小にかかわらず、感情のもつれが相続トラブルの本質です。そしてその感情のもつれに火をつけるのが、「遺言書がない」という状況なのです。


2.遺言書がないと何が起きるのか

遺言書がない場合、相続はどのように進むのでしょうか。

法定相続分という「公平だが不満が残るルール」

遺言書がない場合、原則として**法律で定められた割合(法定相続分)**で遺産を分けることになります。例えば、

  • 配偶者と子ども2人の場合 → 配偶者1/2、子どもそれぞれ1/4

この割合は法律上「公平」ですが、家族の事情や感情は考慮されていません

  • 長年介護を担ってきた長女にとっては「不公平だ」
  • 同居して家を守ってきた長男にとっては「当然、自宅は自分が相続すべきだ」
  • 遠方に住む次男にとっては「法律通りに分けるのが正しい」

それぞれが「自分の言い分は正しい」と主張し、誰も間違っていないのにまとまらないというのが、相続トラブルの典型的な姿です。

遺産分割協議がまとまらない場合

全員が合意できない場合、家庭裁判所での遺産分割調停に進むことになります。調停は平均で半年〜1年以上かかることも珍しくなく、その間、

  • 預貯金が凍結されたままで生活費に困る
  • 不動産の固定資産税を誰が払うかでもめる
  • 相続人同士が連絡を絶つ状態になる

といった深刻な問題が続きます。


3.実際にあった相続トラブルの事例

※個人情報保護のため、内容は一部変更しています。

事例①|「仲の良い兄弟」が絶縁したケース(財産約2,000万円)

家族構成: 父(被相続人)、長男(同居)、次男(遠方在住)

財産内容: 自宅不動産(評価額約1,500万円)、預貯金約500万円

父は生前、「家は長男に継がせる」と口頭で話していましたが、遺言書はありませんでした

相続が始まると、次男は「法律通り半分の権利がある」と主張。長男は「父の意思は自分が家を継ぐことだった」と反論しました。

  • 父の介護はほぼ長男が担当
  • 次男は盆・正月にも帰省しないことが多かった
  • 長男の妻も長年、父の世話をしてきた

感情的な対立は激化し、調停に発展。最終的に不動産を売却して現金で分けることになりましたが、兄弟は以来、一切の連絡を絶っています。

→ 遺言書があれば: 「自宅は長男へ、預貯金は次男へ」と明記するだけで、この争いは起きなかった可能性が高いです。


事例②|再婚家庭で前妻の子が登場したケース(財産約3,000万円)

家族構成: 父(被相続人)、現在の妻、現在の妻との子1人、前妻との子1人(別居)

父は再婚後、前妻との子とはほとんど連絡を取っていませんでした。遺言書はなく、家族もこの事実をほぼ意識していませんでした。

相続が始まって初めて、前妻の子が相続人として現れ、法定相続分の請求をしてきました。

現在の妻と子は大きな衝撃を受け、交渉は難航。調停を経ても感情的な対立は収まらず、相続手続きに約1年半かかりました。

→ 遺言書があれば: 「全財産を現在の妻と子へ」と明記しておくことで、前妻の子に遺留分の請求は残りますが、交渉の土台と手続きがはるかにスムーズになっていたケースです。


事例③|介護した長女が「報われなかった」ケース(財産約1,500万円)

家族構成: 母(被相続人)、長女(同居・介護担当)、長男(遠方在住)

長女は10年以上にわたり、仕事を辞めて母親の介護を担当。一方、長男は年に1〜2回帰省する程度でした。

遺言書がなかったため、法定相続分は長男・長女それぞれ1/2。長女は「10年間介護してきたのに、なぜ同じ割合なのか」と強い不満を持ちました。

長女は**寄与分(介護への貢献)**を主張しましたが、法律上の認定は難しく、調停でも十分な評価は得られませんでした。

→ 遺言書があれば: 「介護への感謝として長女に多く残す」という母の意思を遺言書に明記しておくことで、この不公平感は大きく解消できたケースです。


4.遺言書があれば防げた「5つのトラブル」

上記の事例から見えてくるように、遺言書があれば防げたトラブルは非常に多いです。具体的にまとめると、以下の5つが挙げられます。

① 不動産の分割をめぐる争い

不動産は現金と違い、簡単に「半分」にすることができません。遺言書で誰が相続するかを明確にしておくことで、売却か保持かをめぐる争いを防げます。

② 介護貢献の不公平感からくる対立

法律は「平等」を基準にしますが、家族は「感情」で動きます。遺言書に介護への感謝と分配の理由を明記することで、納得感が大きく変わります。

③ 再婚・前婚の子どもをめぐるトラブル

前婚の子・認知した子は法律上の相続人です。遺言書で財産の配分を明確にしておくことで、突然の登場によるトラブルを最小限に抑えられます。

④ 事業承継をめぐる争い

会社の株式や事業用財産を特定の子どもに集中させたい場合、遺言書がなければ他の相続人との争いが必至です。遺言書による明確な意思表示が不可欠です。

⑤ 相続人が多い・関係が複雑なケース

相続人が多ければ多いほど、全員の合意を得るのは困難になります。遺言書があれば、遺産分割協議そのものが不要になるケースも多くあります。


5.遺言書を作るなら「公正証書遺言」が最も安全

遺言書には大きく2種類あります。

項目自筆証書遺言公正証書遺言
作成方法自分で全文手書き公証人が作成
費用ほぼ無料数万円〜十数万円
無効リスク高い(書き方のミスで無効)極めて低い
紛失・改ざんリスクあり公証役場で原本保管
検認手続き必要(家庭裁判所)不要
紛争抑止力弱い強い

自筆証書遺言は手軽ですが、日付の記載漏れ・押印忘れ・財産の特定不足などのミスで無効になるリスクが高く、相続トラブルの「火種」になることすらあります。

公正証書遺言は費用がかかりますが、公証人という法律の専門家が関与し、公証役場に原本が保管されるため、紛失・改ざん・無効のリスクがほぼゼロです。松浦正樹行政書士法務事務所では、公正証書遺言の作成を強くおすすめしています。


6.公正証書遺言の作成の流れ

初めての方でも安心して進めていただけるよう、作成の流れをご説明します。

STEP 1|行政書士への相談・ヒアリング

家族構成・財産内容・ご希望をヒアリングし、最適な遺言内容を一緒に考えます。「何を書けばいいかわからない」という段階でも大丈夫です。

STEP 2|遺言書の原案作成

行政書士が法律に沿った形で遺言書の原案を作成します。内容の確認・修正を繰り返し、ご本人が納得できる内容に仕上げます。

STEP 3|必要書類の収集

戸籍謄本・不動産の登記事項証明書・固定資産税評価証明書など、公証役場に提出する書類を収集・整理します。この作業も行政書士がサポートします。

STEP 4|公証役場との調整・予約

公証人との事前打ち合わせや予約を行います。公証役場へのやりとりも基本的に行政書士が代行します。

STEP 5|公証役場での作成・署名

公証役場にて、公証人・証人2名・遺言者の立ち会いのもとで遺言書を作成します。証人の手配も事務所でサポート可能です。

STEP 6|完成・原本保管

原本は公証役場で保管されます。謄本(写し)をお手元に保管しておいてください。万一紛失しても、公証役場で再発行できます。


7.よくある質問(FAQ)

Q1. 遺言書を作ると、家族に「縁起が悪い」と思われませんか?

A. そのようなご心配をされる方は多いですが、遺言書は「死の準備」ではなく、**「家族への最後の贈り物」**です。遺言書があることで、残された家族が争わずに済み、大切な人間関係を守ることができます。「縁起が悪い」どころか、家族思いの行動と言えます。


Q2. 財産が少ないので、遺言書は必要ないと思っていますが?

A. 前述の通り、相続トラブルの約75%以上は遺産総額5,000万円以下の家庭で起きています。財産の多寡より、不動産があるか・介護負担の不公平感があるか・家族関係が複雑かどうかの方が、トラブルの発生に大きく影響します。「財産が少ないから大丈夫」は最も危険な思い込みのひとつです。


Q3. すでに高齢の親がいます。今からでも遺言書は作れますか?

A. はい、判断能力(遺言能力)がある状態であれば、何歳でも作成可能です。ただし、認知症が進行すると有効な遺言書が作れなくなるリスクがあります。「まだ大丈夫かな」と思っているうちに、早めにご相談ください。松浦正樹行政書士法務事務所では、ご本人・ご家族どちらからのご相談も承っています。


Q4. 遺言書を作った後、内容を変更することはできますか?

A. はい、何度でも変更・作り直しが可能です。公正証書遺言の場合、新しい遺言書を作成することで、前の遺言書の内容を撤回・変更できます。ライフステージの変化(子どもの誕生・離婚・財産の増減など)に合わせて、定期的に内容を見直すことをおすすめしています。


Q5. 行政書士と司法書士・弁護士では何が違いますか?

A. 遺言書の原案作成・相談・手続きサポートは行政書士が対応できます。司法書士は不動産登記、弁護士は相続争いの代理交渉が専門領域です。まだ争いになっていない段階での遺言書作成・相続準備であれば、行政書士への相談が費用面・アクセス面でも最もスムーズです。


まとめ|「うちは大丈夫」が一番危ない

この記事でお伝えしたことを整理します。

  • 相続トラブルの大半は、財産が多い・少ないに関係なく起きている
  • トラブルの根本原因のほとんどは**「遺言書がなかったこと」**
  • 遺言書があるだけで、不動産・介護・再婚・事業承継をめぐるトラブルの多くは防げる
  • 作るなら公正証書遺言が最も安全で確実
  • 準備は親が元気なうちに・判断能力があるうちに始めることが大原則

「うちは仲が良いから大丈夫」「財産が少ないから揉めない」――その言葉が、実は最も危険なサインかもしれません。

家族の絆を守るために、今できることを今すぐ始めましょう。


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  • 遺言書がなく、相続トラブルが不安な方
  • 公正証書遺言を作りたいが、何から始めればいいかわからない方
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  • 介護負担の不公平感があり、きちんと遺言書に反映させたい方
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